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2013年6月 6日 (木)

知能ロボットを考える

ABCは知ってても

何かを始める前に、「知能ロボット」についておさらいしておきましょう。知能ロボットだけではイメージがはっきりしないので、ここでは自律的に何らかの作業をする「自律作業ロボット」について考えてみます。

シェーキーの製作を通して、自律作業ロボットについて色々検討した事柄を、キーワードの相関図としてまとめたのがこれです。
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左上の女の子がロボットのユーザーで、ロボットに「ミッション」を与えます。「ミッション」とはロボットが行う作業で、平文による音声指令のような高度なものから生のプログラムまで、様々な形で与えられます。「ミッション」の内容も、ロボットの性能によって、”ネコを探して連れてくる”といった難しいものから、”x=100,y=200の位置まで移動する”という単純なものまで、こちらも様々なものが考えられます。

右下が「ロボット」(これはアルデバランのNAO)です。ロボットは、この図のような生活空間とか、あるいは未知の惑星のどこかとかの「外部環境」の中に居て、「外部環境」を「操作」することが出来ます。
この「操作」というのは、外部環境の別の場所に移動したり、他の物体を移動させたりすることで、「外部環境」の状態を変えることを意味します。

同時にロボットは、センサで環境の状態を「観察」します。例えばシェーキーでは、ロボットの周囲を見渡せる測距センサで、周囲の物体までの距離を計測しています。これなどはかなり単純な例で、観察というより測定というべきでしょうが、実際のロボットでは、複数のセンサの読み出し値から総合的に環境の情報を引き出したりするコトも多いので、ここではあえて「観察」という言葉を使っています。

さて、いよいよ「人工知能」の周りを見ていきましょう。
人工知能は、簡単に言えば、ミッションを実行するためのコンピュータプログラムと考えることが出来ます。これはどのような作り方をしてもよい訳ですが、多くの人工知能に共通する仕様があります。それは「環境モデル」を利用するということです。

「環境モデル」とは、ロボットの周囲の環境の「観察」結果を、人工知能が利用可能な形に数値化したものです。シェーキーのマップは、極めて単純な環境モデルです。シェーキーはこのマップを元に移動計画を立てています。
このように環境モデルとは、現実世界を抽象化、記号化し、プログラムで扱いやすくしたものです。環境モデルの構築方法には、宇宙ロボットのように、ロボットが一から環境モデルを構築する場合と、あらかじめ用意されたモデルを、ロボットが手直しして使用する場合があるようです。

環境モデルと関連したキーワードとして、ロボットの「知識」があります。これは人工知能が環境モデルを評価するために必要です。例えば、マップから最短の移動パスを見つけるには、どこが通れてどこが通れないのかという判断をする必要があります。この判断のベースになるのが「知識」です。
「知識」というと、問題解決の情報を集めたデータベースみたいなものを思い浮かべますが、もっと素朴な知識も必要とされます。例えばシェーキーの知能は「障害物のあるところは通れない」という知識をベースにしていますが、これは、プログラムを作る際に、アルゴリズムの形で、プログラムに埋め込まれてしまっています。
先の例はあまりに素朴なので、プログラムに埋め込む形で実装することができました。しかし、実際の環境はそれほど単純ではなく、ドアのような「通れる障害物」だってある訳で、数多くの知識を持つ必要があります。そうなるとプログラムに埋め込むのはかなり困難で、何らかの形で、人工知能本体とは切り離す仕組みが必要になるのではないでしょうか。

ざっとですが、知能ロボットについて考えてみました。次回はこれをもとに、人間と対話する知能ロボットについて考えてみます。

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