モータードライブとPWM
ロボット作ろう:シェーキー製作記
ドライブサーバ基板をシャーシに載せて、こんな感じでテストを行っています。
バッテリーは数年前に秋月で購入したこれです。手持ちの実験用電源が1Aしかとれないので、大電流の実験用に購入したものです。シェーキーの電源にはちょっと大きすぎるかもしれません。
手前にぶら下がっているグレーのステレオジャックにPCからのシリアルケーブルを接続すると、TeraTermで内部シリアルバスにアクセスできます。
閑話休題。いまちょっと考えているのはモーターのPWM制御の方法です。PWM制御とはモータを早い周期で繰り返しON-OFFすることでパワーを調節する手法です。詳しい説明は諸先輩の参考書に譲るとして、シェーキーでのPWMのイメージを示します。ドライブサーバはこの制御をソフトで行っています。
問題はグレーの「モーターOFF」の部分です。
ラジコンカーなんかではここを「モーターフリー」にします。多くのロボットビルダーもフリーにすることが多いのではないでしょうか。デューティを急に下げても滑らかにパワーダウンする感じです。そのかわり負荷に比べてモーターのパワーが大きいと、パワーを下げてもスピードがあまり落ちません。ホビー用のラジコンカーを運転した経験のある方なら、低速で走らせる難しさは理解できると思います。
一方、機械制御系ではここを「モーターブレーキ」にする場合もあります。これはPWMで回転数を制御したい場合に良く用いられます。以前実験用ロボで使ったTB6552FNGにはPWMのための専用入力がありますが、これはモーターブレーキです。このようなドライバは小型モータのドライバに多いようです。
この制御を行うと、負荷の影響をあまり受けずに回転数を制御することが出来ます。位置サーボモーターなどではこのような制御が有効です。
シェーキーのモーターはパワーが十分に大きく、実はモーターフリーのPWMではあまりスピードが変わりません。元々遅いのでそんなに気にはならないのですが…。そこでモーターブレーキのPWMに切り替えると面白いように速度が変わります。ところがモータードライバの過熱してしまいました。十秒ほどでドライバのサーマルプロテクションが働いてしまいます。
モーターブレーキのPWMは、いうなればアクセルとブレーキを同時に踏んでいるようなものです。モータードライバはモーターへの駆動電流と回生制動の電流が交互に通過する訳です。発熱が多くなるのも理解できます。
また、同じデューティでモーターフリーの場合と比べると消費電流も多いようです。コイルというか回転子というべきか、とにかくモータに貯められたエネルギーを、いちいち熱に変えて捨てながら回転している訳ですから、これもやむを得ません。
そのかわり、デューティを下げるとそれに比例してきれいにスピードが落ちてきます。
うーん、どうしましょう。パフォーマンス重視で放熱器を付けてモーターブレーキにするか、はたまた省エネ路線で行くか…
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