ソナー(超音波センサ)を考える(その3)
リモートブレインの夏休み:iPhoneロボット
いままでの分析を踏まえて、iRoverで起こっている超音波センサの問題を考えていきましょう。
■床面の反射を考える LV-MaxSonarシリーズのように、送受信のセンサを共用している場合、検出範囲は上下左右とも対象になります。つまり、センサを中心にして円錐状に検知領域が広がっていくのです。
このことは、センサの床面からの高さによっては、床面がセンサの視野に入ってくることを意味しています。フローリングなどの滑らかな床面では、センサから発信した超音波パルスは、床面で反射し、方向を変えてさらに前方へ進みます。
しかし、床面が凸凹していたり、板きれや棒のようなものが置いてあったりしたときには、そこで散乱反射が起こり、一部の超音波がセンサに帰ってきます。
このような路面では、超音波センサは路面の状態を障害物として誤認識します。
iRoverでも路面による問題が発生しました。特定の路面で障害物を誤検出する問題が発生し、いろいろ試してみると、路面のタイルのつなぎの溝を、障害物として感知してしまうようです。今回はセンサをより検知範囲の狭いものに取り替えることで解決を見ました。
この図は、iRoverに当初搭載したあったEZ1と、その後交換装備した検知範囲の狭いEZ2が床面をどのようにとらえているかを示しています。右のマンガがiRoverでセンサは床面から200mmの高さにあります。青い線が床面です。上が問題のあったEZ1のパターンで、下が交換装備したEZ2のパターンです。
EZ1では、大分「深く」検出領域が床面に食い込んでいます。このため、人造大理石の継ぎ目を障害物と検知してしまい、うまく働きませんでした。EZ2では食い込みは浅くなり、この結果、継ぎ目のあるタイルばりの床でも、障害物としての誤認識は無くなりました。
もっとも、このEZ2でも背の低い障害物には敏感で、この動画は床に置いたTVのリモコン(高さ約25mm)を検出し、約1m手前で停止する様子を示しています。
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