iPhoneとのオーディオインターフェイスを再検討
リモートブレインの夏休み:iPhoneロボ
PICで作ったモデムからiPhoneへのオーディオインターフェイスを再設計します。
はじめはちゃんと考えて作ったのですが、なぜかうまくいかなくて、いじっているうちにコンデンサ1個になってしまいました。
これではダメでしょう。理不尽な回路です。もう一度、最初に設計した回路を試してみたいと思います。
まず、iPhoneの入力回路の模式図はこうなっていると思われます。
コンデンサマイクを接続するので、図のようにRで電圧を掛けています。開放電圧は2.7V、これが2.2Kの抵抗をマイク端子に入れると1.3Vほどに下がるので、抵抗Rは約2Kということになります。
さらに音声信号(交流)について言えば、ECを通してRはGNDに接続になるので、(アンプの入力インピーダンスは、おそらくこれに比べて十分に大きいので)これが入力抵抗になります。
これを踏まえて、設計した回路がこれです。FSK OUT側の回路です。
FSK OUTからはマイコンで作ったFSK信号(3KHz-1.5KHz)が入ってきます。10uFのコンデンサは交流的にはきわめて低い抵抗になりますから、iPhoneをつなげないときには、R6とR7で分圧された信号がマイク入力に入ると考えて良いでしょう。本来のマイク出力が数十mVPPくらいなので、iPhoneを接続して100mVPPくらいになるようにします。この値だとiPhoneを接続しない状態で147mVPPになります。
この回路がiPhoneにつながると、iPhone内部の2KとR7の2.2Kで分圧され、入力部の直流電圧オフセットは1.3Vほどになります。これに150mVPPほどの交流信号を重畳することになります。
ただし、先に書いたように、交流に対するiPhoneの入力抵抗が2Kあるので、iPhone接続時のFSK信号の分圧比は
R6 : R7とiPhone内部のRの合成抵抗
になるはずです。
R7とRは同じくらいにしたので、iPhoneへの入力信号レベルは半分の約73mVPPになります。
こんな風な考え方で、回路を設計、作ってみたらダメだったのですが… 今回は何の問題も無く動きました。どうも前回の試作ではなにか間違っていたみたいです。オーディオFSKは大変、というアタマがあったので、深く追求しないでボツにしていたようです。
ともあれ、これでOKです。オシロでの測定結果も70mVPPほどで、まあまあ計算通りです。こちらも受信同様、電源電圧の影響をあまりうけません。マイコンが3.3Vでも5Vでも無調整でいけるのは有難いところです。
あーすっきりしました。
この回路はきわめて安定で、部品の値をかなり変えても動作します。コンデンサは1uFから47uFくらいまで変えても問題ありません。ジャンク箱の部品を活用できます。
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