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2010年12月26日 (日)

アクエストークモジュールを作る(その2-ハンダ付け)

花岡ちゃんのウィークエンド

今回はちょっと寄り道をして、面実装ICのハンダ付けの方法です。

僕が仕事を始めた1980年ころには、ベークの基板にピッチ0.8mmくらいのQFPを手ハンダで付けていました。
基板のラインに行くと、熟練したおばちゃんが、ハンダごてをICの外周をなぞるように動かして、あっというまに実装するさまに感心しましたが、実際やってみると意外と簡単で、手が足りないときにはラインに入ったりしたものです。

そんな経験があれば、ピッチの狭い面実装のICも怖くないのですが、学生さんや、そういった仕事に従事したことの無い人には難しい技術に思えるかも知れません。ここでは、比較的簡単なハンダ付け方法を説明したいと思います。

■必要な道具
写真のような道具が必要です。

Dscn1402  Dscn1403

フラックスは大変に重要です。ドロドロではなく、さらさらしたものを選びます。写真のものはサンハヤトのHB-20Fです。ふたの内側にハケがついていて使い易いです。
ハンダ吸い取り線は細めのものを用意します。ハンダブリッジの修正に使います。ハンダは0.6Φくらいの細いもの、鉛フリーの時代ですが、アマチュアの工作には鉛入りのハンダをお薦めします。
ハンダごてはコテ先の尖っているものが都合が良いです。もちろん、ハンダの乗りが良いものが必要です。コテ先は消耗品ですから、この機会に取り替えるのもよいでしょう。
それから、僕のような年寄りには拡大鏡が必須です。ハンダ付けの状態やブリッジを確認する必要があるからです。

■ハンダ付けの手順
面実装ICの基板(変換基板など)へのハンダ付けは次の手順で行います。

1・ICを基板に乗せ、1番ピンをハンダ付け
2・すべてのピンがランドに乗るよう調整しながら、対角のピンをハンダ付け
3・残りの四隅のピンをハンダ付け
4・フラックスを塗って一辺ずつすべてのピンをハンダ付け
5・目視でハンダ不良をチェック

最初にハンダ付けするピンは、なるべく1番ピンにします。ICのパッケージにも基板にも、1番ピンにマークがある場合が多いので、取付け方向違いの防止になります。

■ハンダ付けのテクニック
まずはフラックスです。フラックスにはハンダをランドやピンの金属部になじみ易くし、ハンダブリッジが起き難くする働きがあります。四隅を固定後、すべてのピンをハンダ付けするときには、フラックスはこのようにランドとピンにたっぷりと塗ります。

Photo

最初に1ピンをハンダ付けする時は、ランド部分にちょんと塗り付けます。

次はコテへのハンダの乗せ方です。
写真のように、ハンダをちょっとコテ先に押し付け、コテ先が銀色になる程度にハンダを乗せます。乗せすぎるとブリッジします。最初は「少ないかな」と思う程度で試してください。たっぷりついてしまったら、コテ先クリーナーで軽く落とします。

Photo_2

最後にピンのハンダ付け作業です。
フラックスを塗ったあと、写真のようにランド部分からピンに向けてコテ先で軽くなぞります。これは最初にコテ先が触れた部分に、ハンダが沢山ついてブリッジする可能性が高いので、ブリッジしても修正し易い部分からコテを当てるためです。ICの足の奥の方でブリッジすると、修正は困難です。

Photo_3

ランドの金メッキがハンダで覆われるように気を配ります。コテ先はランドからピンの接地部分まで滑らせて、ハンダをランドとピンの接触部の隙間に流しこみます。ランドだけでなく、ピンにもコテ先を当てて加熱するようにしてください。
なるべく、一ピンずつ作業しますが、隣のピンにコテ先が触れても、それほど問題ありません。フラックスが効いているので、ブリッジはし難いと思います。
作業中、ハンダのノリが悪いと感じたら、フラックスを塗り直します。

ハンダ付けが終わったら、拡大鏡でハンダ部分をチェックします。ピンのところでランドの金メッキが見えている場合はハンダ不足の可能性がありますから、そのピンの周辺にフラックスを塗って、ハンダをし直します。

ハンダブリッジを発見したら、吸い取り線でハンダを取ります。このときランドをいためないよう気をつけます。小さなブリッジなら、フラックスを塗った後でクリーニングしたコテ先を当てると修正できる時があります。

仕上げに無水アルコールを付けた綿棒で軽くピン周辺を拭きます。余剰フラックスのカスを取って見た目を良くするためなので、マストの作業と言うわけではないです。
HB-20Fフラックスは無洗浄タイプなので、そのままでも腐食などの問題はありません。

Dscn1420

こんなところでしょうか。慣れると写真のモノなら1~2分くらいで作業できます。
これで、高価な評価キットを買わなくとも、100ピンくらいまでのICなら変換基板で実装することが出来るようになります。
最初のうちは、写真のモータードライバのように、16ピンくらいのモノで経験を積むのが良いかと思います。

次回は、スピーチボードの動作の模様や、気をつけることを書きます。


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