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2012年2月

2012年2月28日 (火)

床下機器を取り付ける

ロボット作ろう:シェーキー製作記

先だっての週末は胴体フレームの塗装をしようと思っていたのですが、天候が悪く、色は乗せられないので下地処理だけを行いました。

それと、ベース部分の仕上げとして、PSDの配線と、床下機器のダミーを製作しました。

この写真は本家Shakeyのベース部分です。

Photo

ベースの下には、電車のようにいくつかのボックスやパネルがぶら下がっています。僕の模型ではこれは省略するつもりだったのですが、イキオイがついてしまいましたので、やっぱりそれらしく製作することにしました。

本物では左側(ロボットの前方)の四角い箱の後ろに駆動モーターがあり、この箱の中に駆動用タイミングベルトのスプロケットホイールとエンコーダが入っているようです。右側(ロボットの後方)のパンチングパネルの中には何か発熱するモノが収まっているようですが、モータードライバでしょうか? 電源でしょうか? ちょっとわかりません。

今回は写真を参考に2mmのプラ板で作りました。本当に見かけだけです。

Dscn2071

ベースにぶら下げるとこうなります。

Dscn2073

それらしい感じには仕上がっていると思います。

PSDは配線はちゃんとハーネスを製作して引き回しました。簡易圧着工具で、PSDに採用されているPHコネクターの圧着も出来るので、きれいに配線をまとめることが出来ます。ハウジングと接点は秋葉の「ねじの西川」で購入しましたが、マルツなどでも通販できるようです。

Dscn2076

せっかく床下機器を取り付けたのですから、ハーネスが暴れて見た目が悪くならないよう、卵ラグと太めの単芯線で作ったコーチングクリップでシャーシにまとめました。

2012年2月20日 (月)

細々した部品を作る

ロボット作ろう:シェーキー製作記

今回作った部品はこれ

Dscn2066

ボディサイドのベンチレータグリルです。1.2mmプラ板を丹念に切り出して作りました。たまにはこういう作業もいいものです。制作したグリルは本物のこの部分です。

Photo

もともとセミスケールなので、ここら辺はもっとシンプルにしても良さそうなもんですが、作り進むうちにノッてきてしまいました。この調子ではまたまた完成が延びてしまうのでは…

ノッたついでにフロントパネルの最上部のディテールの加工もしました。いろいろな写真を見比べると、この部分は引き出し式の回路モジュールになっているようなので、Pカッターでモジュールの境目を入れました。大スケールモデルなのでちょっとオーバーめのスジボリにしてあります。

写真を撮ってみましたが、プラの地肌ではわかりにくいので、本物の写真を。

Photo_2

写真で帯状のグレーの部分は、モジュールを引き出す取っ手のようで、少し出っ張っているようです。また、右から二番目の大きなパネルは、きちんと収まってないように見えます。他の写真では出っ張っていないので、写真を撮ったときにたまたまそうだったのではないかと思います。

2012年2月16日 (木)

ホイールエンコーダの分解能を改善する

ロボット作ろう:シェーキー製作記

今回は駆動輪の分解能を改善する話です。Shakey先輩の性能に少しでも近づこうということで、チャレンジしました。
シェーキーの駆動輪にはここここの投稿にあるように1回転100パルスのエンコーダがついています。これは反射型のインタラプタ1個で構成されていますが、これを90度ほど位相のずれたところにもう1個追加し、分解能を倍にします。新しいセンサ基板はこうなりました。

Dscn2052

左側にあるのが今までのセンサ、取り付けてあるのが新しいセンサ基板です。見てわかるようにインタラプタが2個になっています。このインタラプタはシャープのインタラプタにプラスチックのレンズを被せたもので、5〜6年も前に秋月で買ったものです。今はもうありません。普通のインタラプタに比べて検出領域が狭いようで、細いパターンでも感度よくとらえます。普通のものだと信号の振幅がもっと小さくなります。本機では信号をADで読んでいるのでどちらでも使えますが、在庫整理のつもりで使っています。

ホイール裏側のエンコーダパターンとの関係はこんな感じ、インタラプタの一つが黒、もう一つが白の上に(なるべく!)乗るようになっています。(わかりにくいですが)

Dscn2056

新しいセンサの信号はこんな感じです。

Dscn2048

位相は90度ほどずれています。チャンネル1のインタラプタの方の信号が少し小さいみたいですね。負荷抵抗を調整してレベルをそろえておいた方がいいでしょう。
この信号をADで読み込んで二値化したのがこれです。マイコンの空きポートに出力してオシロで確認しました。基板は2mmピッチのユニバーサルなのでインタラプタ間の距離の微調整が出来ません。これが精一杯です。きれいな2相クロックとはいえませんが、実用上は問題ないでしょう。

Dscn2063

これで分解能は200カウント/回転になりました。さらに、回転方向も識別することができます。もっとも、このモーターとギアボックスでは1カウント単位で厳密に制御するのは困難ですが、計測精度は間違いなくよくなっているので、オドメトリの総合的な性能はあがると思います。

もちろんドライブサーバのソフトも直しました。昔のインターフェイスを引っ張りだして、体内シリアルバスをパソコンに接続、Teratermでテストと調整を行いました。手打ちコマンドで動かしてみた感じでは、改造前より確かに精度が出ているようです。小さな旋回を何回も繰り返したのちオドメトリ上の原点に戻すと、今まではそれと見てとれるほどのずれが出がちでしたが、それがあまり感じられなくなりました。

Dscn2054


2012年2月10日 (金)

元祖Shakeyの性能チェック

ロボット作ろう:シェーキー製作記

僕のシェーキーも格好がついてきたところで、元祖Shakeyがどんな性能だったのかを確認しておきましょう。本来ならこれはプロジェクトを始める前にやっておくべきですが、さあやるぞでイキナリ英語のペーパーと格闘しなければならないのではモチベーション上がりませんよねえ。

今回はSRIのShakeyのページの下の方、ずらりと並んでいるペーパーを流し読みして、機械のスペックを探りました。その前に、Shakeyを紹介したフィルムがYouTubeにあがってましたのでご紹介します。長いし画質もよくないのですが、動くShakeyを見ることができる唯一のフィルムではないかと思います。これのオリジナルは前出のページにあるRealVideoファイルです。

"Take five"のリズムが心地よいですねえ。所々で聞こえる「ピロロ」という音は、jazzのアドリブではなく、ロボットとの通信に使われるFSKモデムの信号音のようです。
このフィルムのShakeyは頭が前方についている「後期タイプ」です。1967年の完成時には頭がロボットの旋回中心に取り付けられていました。レンジファインダーの計測結果をロボット座標上に持ち込みやすいようにするためだと思われます。しかし、画像認識での環境マッピングの研究が始まると、自分の足下が見えないのが問題となり、前部に移動したようです。

 

まずは外形諸元です。昔の投稿にあるように、この模型は写真から寸法を割り出し、1/3スケールで作ったつもりです。ペーパーには残念ながら図面はありませんでしたが、いくつか数字を拾うことが出来ました。それらが下記の数字です。
 ●駆動輪は直径8インチ(203mm)
 ●ベースの地上高は10インチ(254mm)
 ●アーム収納部(ベースと胴体の隙間)4インチ(101mm)
 ●胴体部分は標準の19インチラック(パネル取り付けねじ間が482mm)
これをもとに模型の寸法をあたると、ほぼ近い数字になっています。一番誤差が大きいのがベースの地上高で、一割ほど大きめになっていました。これはキャスターのサイズに合わせたためで、本当はもう少し低くしたかった部分です。セミスケールモデルとしては、いい線いっているのではないかと思います。

 

次は駆動部です。下記の諸元が読み取れました。
 ●ステッピングモーター(200ステップ/1回転)
 ●シャフトエンコーダ(50スリット4相 200パルス/1回転)
 ●減速比 1/4(タイミングベルト)
 ●距離分解能 1/32インチ(0.8mm)
結構距離分解能が高いですね。モーターにはステップ数と同じ分解能のシャフトエンコーダがあり、制御ロジックでクローズドループ制御されています。そのためだと思いますが、フィルムを見ると停止時にすこし行きつ戻りつしているのが見て取れます。駆動輪のトレッドも広いので旋回の精度も相当なものだと思われます。模型の精度も見直した方がいいかもしれません。

 

最後にレンジファインダーです。前の投稿でカメラの下の部分が投光部ではないかと書きました。上の箱が回転鏡と受光部と踏んだのですが、これは逆でした。箱の中に平行光線の投光部があり、その光を回転鏡でスキャンして、大きな開口部から投射、物体に当った際の反射光をカメラの下の受光部でキャッチしているようです。回転鏡がどの角度のときに光をキャッチしたかがわかれば、物体との距離がわかります。回転鏡は同期モーターで一定速度で回転しているので、基準位置からの時間で回転角度がわかるようになっています。
このレンジファインダーは0.5フィートから28フィート(15cm~8.4m)まで計測可能で、近距離(数フィート)では±0.2フィート以下(6cm)、最大距離付近では±1~2フィート(30~60cm)程度の精度があるそうです。今回採用したPSDのペアは、最大距離では見劣りするものの、これくらいの精度は期待できるのではないかと思います。

 

今回ペーパーにざっと目を通してみて、改めて注目したのが初期のペーパーに見られるアームについての記述です。これが開発前のイメージスケッチ、立派なアームがついているでしょう? 

 

Shakey_7_bw_1000x722_2

 

このアームはリトラクタブルで、使わないときには胴体とベースの間に収納されるようになっています。図面や見積もあり、それらによると開発費は6500ドルの予定でした。1ドル360円の時代ですから日本円にすると当時としては結構な金額です。アメリカでもそう安い金額ではなかったのではないでしょうか。そのせいか開発は見送られ、フィルムでご覧の通り、箱を押すための簡単なバーがベース部分に増設されました。
アームのついたShakey、ぜひとも見たかったですね。

 

 

 

 

 

2012年2月 5日 (日)

胴体内部の組み込み

ロボット作ろう:シェーキー製作記

胴体部分の塗装前に、一度基板や配線を組み立てることにしました。塗装後は胴体の木部は傷がつきやすいので、穴あけや切断などの加工がないようにするためです。

胴体内部におさめるのは、ネットタンサーの基板、電源、STM32F4 Discoveryを搭載した制御ボードです。それぞれの基板は2mmのハードボートの両面に固定し、ボードごと胴体から引っぱりだせるようになっています。基板はこの写真のように取り付けました。

Dscn2020  Dscn2021

丸い基板がネットタンサーのネットワークユニットで、その周りにはバッテリーの12Vから各種電源を作成するDC-DCコンバータ基板を配しています。電源の内訳は、ネットワークユニットと制御ボードやサーバーボード用の5V2A、PSD用の5V2.4A、サーボモーター用の6V1.5Aの3種類です。サーボ用の電源を除いて、コーセルのDC-DCコンバータモジュールを使っています。ちょっとお高いですが、電源はケチらない方がいいと思います。サーボの電源は手持ちのこれを利用しました。6Vの適当なコンバータが見当たらなかったことと、それほど電源の品質を問われないからです。シリーズレギュレータなので効率が悪いんですが、モーターの動いている時間はごくわずか、ほとんどの時間はサーボパルスを止めているのであまり問題はないと思います。この場合の消費電流はサーボ2個で30mAくらいなもの、DC-DCコンバータでも無負荷でこれくらいの電流は流れています。(秋月のこれならもっとよかったかもしれないですね。最近気がつきました。)

バッテリーはこんな風に搭載します。

Dscn2041

まだ、反対側の制御ボード未配線ですが、電源ボード周りのワイヤリングの様子です。

Dscn2043

いままでコネクタにはピンヘッダを使っていたのですが、さすがに今回は日圧のVHとXHを使いました。会社には専用の圧着工具があるので、ハーネスをきちんと設計すれば会社で作るという手もあるんですが、本件のように思いつきでやってる場合は現場で作れる方がいいですね。という訳で、エンジニアのPA-21を購入しました。もう30年も前のこと、モレックスのコネクタを電工ペンチで圧着加工しましたがイマイチという結果で、それ以来この手の簡易工具はちょっと敬遠していたんですが… これはあたりです。専用工具のように一発で加工はできませんが、それでも20秒もあれば芯線と被覆をしっかりカシメられます。

Dscn2040

移動ベースに胴体をはめ込んだ様子です。現在ははめ込んだだけ、摩擦で止まっています。胴体を持ち上げても移動ベースは落ちません。写真の右側が後ろで、胴体の下にアルミパネルを設け、電源スイッチと充電ジャックを取り付けてあります。

Dscn2045

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