シールドバッテリーの充電回路
ロボット作ろう:シェーキー製作記
今回はシェーキーの電源周りの話です。
シェーキーは12V8AHのシールドバッテリーですべての電源をまかないます。モノは数年前に購入したこれです。このバッテリーはUPSなどの低放電向けのモノで、10時間率で8AH、つまり、0.8Aの電流を取り出して10時間保つということになります。セルモーターのような大電流の引き出しには向きませんが、自己放電が少ないので、いつの間にかバッテリーが完全放電していたというようなトラブルがありません。場合によっては数ヶ月もほったらかしにされる僕の実験用ロボットにはおあつらえむきです。
問題は一般的な鉛蓄電池に比べ、引き出せる電流が小さいことです。このサイズの鉛蓄電池なら、10A以上の放電が可能ですが、このバッテリーではおそらく数A程度が実用範囲ではないでしょうか。
移動していないときのシェーキーの消費電流は0.6A程度になりますから、何ら問題はありません。問題は移動中です。モーター2個とPSD14個分の電力が追加になります。おそらくトータルで平均2Aくらいの電流は必要になると思いますが、いままでこのバッテリーを使って移動ベースのテストをしてきた感じからすると、それくらいの電流は問題なく引き出せるものと見込んでいます。
さて、シェーキーの電源周りの回路ですが、こんな風にしました。
バッテリーから各種電源を作っている様子が分かると思います。DC-DCコンバータはコーセルのものを使っています。結構なお値段ですが、電子回路の電源はケチらない方針なのは以前の投稿で書いた通りです。不安定な電源のせいで原因不明のトラブルに見舞われるのは本当に嫌なものですからね。
バッテリーの充電回路ですが、ごらんの通り電源用ショットキーダイオードと3Ω/5wのセメント抵抗で、ごくごく簡単にすませています。充電用の電源には15V3AのACアダプターを使いました。
この回路では、バッテリーの充電終了電圧を15V、放電終了電圧を10Vとして、充電の全行程で最大の充電電流が0.2Cくらいになるよう常数を決めています。この方式では充電開始時に最も充電電流が大きく、充電が進むにつれ次第に電流は低下します。あまり効率のいい方法ではありません。完全放電からの充電にはおそらく15時間以上かかるのではないかと思います。急速充電はできません。
しかし、この回路は充電終了電圧に近づくにつれて充電電流が減り、最終的には数十mAになりますから、ACアダプタを常時接続したままにしておいても危険がないという特徴もあります。また、アダプタを接続したままでロボットをONにすることも出来るので、プログラムの開発中はケーブルをつないで充電状態にしておき、動かすときにだけケーブルを外すという使い方が出来ます。民生機器のような使いやすい性能を抵抗1本で実現しているわけですね。
実験用ロボットのように、常時電源を入れておきたい用途にはもってこいです。また、回路が単純なので故障しにくいのも特徴です。アマチュアの機械には向いているとおもいます。
ただし! こんな簡単な回路で充電できるのはシールドバッテリーだけです。ニカドやリポは専用の充電器を使うのが無難です。また、セメント抵抗はかなり発熱するので、部品やケーブルのレイアウトには注意が必要です。
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