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« Common Lispも導入する | トップページ | 移動ロボットの出来合いソフトウェアを検討する(その2) »

2012年9月15日 (土)

移動ロボットの出来合いソフトウェアを検討する(その1)

その昔、ラジオコントロール模型はアマチュア無線の免許が無いと出来ない時代がありました。無許可で出せるのは微弱な電波だけで、模型飛行機のように遠距離から操縦しなければならないものは50MHz帯のアマチュアバンドを使っていたためです。その時代、ラジコンの送受信機やサーボモーター(といっても現在のものとはずいぶん異なりますが)は非常に高価な外国製で、やむなく自作していたマニアも多かったそうです。

昭和32年、27MHz帯などの電波がラジコンやトランシーバー用として認可されると、次第にメーカー製のラジコン装置が出回るようになります。免許がなくともラジコンの利用ができるようになったおかげで、それまで指をくわえていた潜在ユーザーがわっとばかりに顕在化し、マーケットが形成されるようになったからです。ラジコンは少しばかりの(それでも子供には高値の花でしたが)お金を出せば誰でも楽しめる遊びになったのです。

こうなるとラジコン装置を手作りするのは時代おくれです。ジャンク箱から部品を拾い集めて、安上がりに装置を手作りしようとしても、メーカー製の立派な装置には性能的に追いつけなく、ラジコン装置の自作派は、やがて姿を消すことになります。

同じようなことが、ソフトウェアでも起っています。僕が初めてプログラムに触れた70年代初頭、マイコンはまだ4004が出始めの頃で簡単には手に入らず、日本のコンピュータホビーストは独自のアーキテクチャのコンピュータをTTLで製作していました。市販のミニコンは数百万もするしそれなりに場所も食うしで当然買えませんからね。ソフトどころかコンピュータそれ自体を一から作らなければいけなかったのです。トラ技に発表されたTTLでの電卓プロジェクト「DENTAC」やミニミニプログラマブルコンピュータ「ATOM-8」なんかもそうですね。

ちなみに、これがそのころ僕が作ったコンピュータ「SARI」です。バラックが動き出したのが1973年、写真は翌74年にI/O機能を追加してケースに組み込んだ「Mk1」モデルです。

Img_0074  Img_0077

中学生のころから24bitアーキテクチャで設計していたものを、「ATOM-8」の影響で8bit化し、さらに制御回路を真似して実現にこぎ着けたものです。中坊の設計ですから基礎知識が無いくせに夢満載、特に制御回路については、行き当たりばったりの非同期シーケンスで設計していたものですから、「ATOM-8」に出会わなければ実現できなかったでしょう。開発した富崎新先生は、僕にとってはジョブス以上の存在です。

これから数年を待たずしてマイコンの時代に。誰が作っても同じ性能ですから、ハードは作るより完成基板を買う時代になり、さらに数年でマイコンでもミニコン同様、BASICやFORTRANを紙テープで買う時代がきます。作るより格段に楽だし、一定の性能も担保しているからです。
やがてOSが標準化され、定番アプリケーションが一般化してくると、ソフトウェアは買って使うものという概念が確立していくのですね。

アプリケーションとしては極めてニッチな知能ロボットの制御ソフトはどうでしょう。

シェーキーのプロジェクトでは、移動しつつ周囲の地図を作成するプログラムを自作しました。(この辺のことはこちらの投稿を参照してください。)これは移動ロボットとしては基本的な機能です。ロボットのおかれた環境の大域的な地図が作成できれば、任意の場所への移動計画を作成することが出来ます。これは、移動するロボットには必要不可欠なソフトだと思います。
ただし、シェーキーで試した地図の作成機能は原理に忠実で単純なもので、本来あるべき外来ノイズ(センサやオドメトリの誤差)に対するロバスト性は担保できていません。つまり、実用には問題ありということです。

実用化するにはさらに相当の努力と時間を投下しなければいけません。ここは市販ソフトがあるなら使いたいところです。少なくとも欧米では軍需ロボットは実用化していますから、このあたりのスピンアウト商品があってもおかしくないですよね。

次回以降、この辺の検討をしていきたいと思います。

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