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2012年10月21日 (日)

NEDO国際ロボットフォーラムに行ってきました(続き)

管理人のページ:よもやまばなし

前回の続き、稲葉先生の講演「急成長しているロボットソフトウェア」の感想です。例によって詳細な講演内容については、他の方の記事をご覧ください。

先生はROSをベースとした汎用作業ロボット、PR2でのプロジェクトの進め方について話されました。このロボットは、ウィローガレージが研究成果の公開を条件に、各国の研究チームに無償でレンタルしているもので、youtubeでもタオルをたたむ動画などで有名なロボットですね。
ROSやOpenCVなどのオープンソースを利用し、開発過程やデータをネット上で公開することで、広い意味でのクラウドベースの開発環境を実現しています。

東大での研究成果がこれです。サンドイッチを探してくるロボットです。とにかくスバラシイ、ロボット愛好家としてはぜひ一台欲しくなるようなロボットです。

先生は必要なソフトや知見がクラウドにあること、他の開発者とのディスカッションがネット上で出来ることなどが、これを非常な短期間で実現できた理由としてあげ、ROSベースの開発の有用性を指摘しました。また、日本製のロボットソフトモジュールの骨組み、Open-RTMとの連動プロジェクトについても触れ、ロボットソフトウェアが部品として用いられるような商品開発の時代が近づいているとしました。

それをふまえ、市場の「欲しいロボット」をいかに見つけるか、そしてそれをいかにして使ってもらうかが大切であると続けます。一つの例として、昨今発売が相次いでいるテレプレゼンスロボットを挙げられました。例えば、ダブルロボティックス社のこれです。

使ってもらうことが大事という提言には、以前の投稿にもあるように僕も大賛成ですが、「欲しいロボット」を見つけて商品化することには、先生ほど楽観的な見方は出来ませんでした。実際には「欲しいロボット」と「実現可能なロボット」には非常に大きなギャップがあるとおもいます。
テレプレゼンスロボット一つとっても、ビジネスマンとしての(ロボット愛好家ではなく!)僕が欲しいと思うのは、非常に簡単な操作で、先方の会議室にある試作品をひねくりまわしてあら探しをしたり、問題のある工場や工事現場に出かけていって、機械の後ろを覗き込んだり、接続部を確認したり、組み立てライン上の半製品を取り上げてチェックしたりできるようなものです。おそらくは海外出張を伴う仕事をしている人の多くもそう思うのではないでしょうか。ディスカッションに参加するだけなら、テレビ電話でたくさんです。

こういったギャップをいかに埋めていくか、おそらくそれには技術開発だけではなく、使い方の斬新なアイデアが必要です。そしてそれこそこれからの若い人たちの力が発揮されるところなのではないでしょうか。

ともあれ、先生のお話でやはりROSだなということは再確認しました。マイクロソフトでもOpen-RTMでもないですね。おかげで方向性がすっきりしました。

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