【昔語り6】マボロシのIntel4004
アキバ昔語り
Intel4004といえば、このブログを読みにくるような方には、とても有名なマイクロプロセッサでしょう。老婆心ながら解説しますと、これは1971年に発表された世界初のマイクロプロセッサで、電卓などでの使用を想定した4ビットアーキテクチャのものです。
この写真は、僕が持っている4004と汎用メモリとのインターフェイス用のデバイス、4008と4009です。左端の16ピンのパッケージが4004です。
このブログの趣旨なら、このデバイスを試運転してみる訳ですが… 簡単には動かせないので今回はパスします。
下記は、トラ技の1973年2月号の記事です。上位機種の8008の発売を受けての記事のようです。当時のマイクロコンピュータ事情が読み取れるかと思います。
これから1年半ほどたった1974年9月号のトラ技には、アマチュア向けTTLマイクロコンピュータATOM-8を開発した富崎新氏の、4004を使った、パネルスイッチからソフト開発が可能なATOM-10の製作記事が掲載され、マイクロコンピュータの使い方がアマチュアにも理解できるようになりました。
記事には回路図やプログラムの考え方原寸大のプリントパターンも付き、その気になればATOM-10を組み立ててソフト開発が可能なものでした。
しかし、これを作れた人は、あまり居なかったのではないかと思います。それは、4004ファミリーがアキバで売られてなかったからです。
少なくとも当時、キョードーや若松などのICが得意な店でも、店頭で4004を見ることはなかったように思います。もちろん、トラ技の広告ページでも見ることはありませんでした。
もちろん、会社で普通に見積依頼を出せば、買えないことはなかったのでしょうが、アマチュアが簡単に買って試してみるような部品ではなかったのでしょう。僕もどこかで買えないものかと思ってずいぶん探したのですが、見つけられませんでした。もっともサンプル価格も安くはなかったでしょうから、店頭にならんでいても、高校生には気軽に買えるものではなかったのでしょうが。
そんなこんなで、とても有名だけど、アマチュアにとってはマボロシの4004。いつかは動かしてみたいと思っています。