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2022年1月

2022年1月29日 (土)

【昔語り8】科学教材社の0-V-2(おしまい)

アキバ昔語り

完成した0-V-2、色々いじっているとザーザーとかバリバリとかいうノイズが多いのに気づきました。結構なレベルなので入感の弱い局が受信できません。配線をいじったりアースの方法を変えたりいろいろやってみましたが、どうも受信機側の問題ではなさそうでした。また、バンド全体に被っているのではなく、特定の周波数で入ってくるため、発生源は外にある電子機器かなということで、写真のようにノイズフィルタいりのテーブルタップも試してみました。

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しかし、これと言った変化はなく、それではということで、家の中の電気器具のコンセントをかたっぱしから引っこ抜く作戦に。見つかった犯人は写真のようなACアダプターでした。

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これはラジオを設置した部屋のとなりのリビングのコンセント。特に上の秋月で買ったUSBタイプのACアダプタが短波帯にひどいノイズを撒き散らしていました。このノイズが電灯線を通って0-V-2に飛び込んで来てたわけです。もちろんこれは規格をとおった「ちゃんとした」アダプタです。

昔のACアダプタはトランスが入っていたからノイズを出すことはなかったのですが、最近のアダプタはスイッチング電源になっているので、どうしてもこうなるようです。これ以外にもノイズをだしているACアダプタはあるのでしょう。

もう一つのノイズ源は水道のスマートメーターのようです。ラジオバンドの上の方、1500KHzくらいから、パリパリというノイズが入ってきます。AC電源のラジオだけではなく、電池で動いてるトランジスタラジオにも入ります。トランジスタラジオを持ち歩いて発生源を探ったところ、なんと、玄関脇のメーターボックスから出ていました。結構強力だし、この周波数には当地民放ラジオがあり、いいんかいなこれでという気分ですが、スマートメーターのコンセントを引っこ抜くわけにもいかず、結局泣き寝入りということに。PLCでデータを送ってるらしくこれはやむを得ないようです。

また、うちは集合住宅なので、他の居室の影響も受けている疑いがあります。隣の家にコンセント引っこ抜いてというわけにもいかないですからね、

21世紀は素朴な真空管ラジオにとって「生きにくい」時代のようです。

2022年1月24日 (月)

【昔語り8】科学教材社の0-V-2(その2)

アキバ昔語り

上京してアキバデビューしたのは1972年、もうその頃には科学教材社に興味はありませんでした。そのためアキバの傍にあるにも関わらず、若い頃は足が向くことはありませんでした。

ノスタルジーにひかれ、初めて訪問したのは1990年代でした。0-V-2を作ってみたい、コイルはまだ売ってるんだろうか、あわよくばキットが残ってるかもという気持ちで仕事の途中で立ち寄ることに。0-V-2を作りたいんだけど短波帯のコイルはないかと尋ねたところ、ないけれど自作するならボビンは同じだからこれを買って巻き直せと、売れ残りと思しきVHF帯のプラグインコイルを出してくれて、コイルデータの入った製作記事のコピーをもらいました。そのコピーは無くしてしまいましたが、おそらくこの記事のコピーです。ヤフオクで入手した誠文堂新光社の「初歩のアマチュア無線製作読本」の記事です。

ダウンロード - 0v2.pdf

その後仕事も忙しくなり、かなり長い間ほったらかしになっていた0-V-2製作、再スタートしたのはリタイア後、2020年の春先でした。

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ヤフオクやアキバの(旧)内田ラジオあたりで、ぼちぼち集めていた真空管セット用の部品が役に立ちました。

コイルはその時買ったVHFコイルのまき直しではなく、ヤフオクで手に入れた新品プラグインボビンで、中波帯と短波帯5〜15MHzの2本を作りました。シャーシは並四用の穴あきシャーシの新品、他の部品もほとんど新品で調達したものです。並四トランスはガード下のトランス屋さんで、おそらく今でも新品が入手できると思います。並四用穴あきシャーシは1〜2年前まではヤフオクで売っているショップがあったのですが、いまはもうやっていないようです。シャーシパンチやハンドニブラを持ってるので、部品に合わせて一から穴あけも面白そうでしたが。

回路構成は製作記事の通り、CRの値は系列の問題と若干の調整で回路図と違うところもあります。また、6BM8の5極部のグリッド抵抗をボリュームにして音量調整もつけてあります。シンプルなACケーブルは、アキバの電線屋さんにいけばあるのはわかってたのですが、コロナなので買いに行くわけにもいかず、アマゾンで簡単に入手できるテーブルタップをちょん切ってます。

久しぶりの「半田付けを楽しむ」工作で大満足でした。製作当時のローカルラジオ局受信の様子です。

と、まあここまでは順調だったのですが、この先この素朴なラジオは21世紀の洗礼を受けることになります。

 

2022年1月23日 (日)

【昔語り8】科学教材社の0-V-2(その1)

アキバ昔語り

このカテゴリでは主に1970年代半ば以降の話をしていましたが、ここで1960年代まで遡りたいと思います。0-V-2のお話です。(0-V-2については特に説明をしません。わからない方にとっては、そもそもこの話は面白くないと思います。)

そのころ僕は田舎の小学生で「子供の科学」や「模型とラジオ」の愛読者でした。記事はもちろん、巻末に入る科学教材社の広告も子供にとっては楽しみなものでした。1968年ごろ、「子供の科学」でアマチュア無線の入門シリーズが始まるとすっかりやられてしまい、親にねだって短波受信機0-V-2のキットを手に入れました。もちろん通信販売です。紙面で紹介されたこのキットは人気を博したらしく、発注から届くまで1ヶ月以上かかったと思います。父親が市外通話で問い合わせたところ、「大人気でシャーシのメッキが間に合わないので生産が遅れてる」旨の回答があったそうです。

待ちに待ったキットは、ダンボールの箱の中に、細く切ったビニールの切れ端(シュレッダークズのようなもの)がぎっしり入っていて、それに埋もれるように部品が入ってました。大量のビニールクズがクッションの役割をしてたわけです。当時は小荷物の扱いが荒く、荷役時にポンポンと放られることもあったからです。

さて、肝心の組立ですが、小学5年生が初めて組み立てるのは、やはり無理があったようです。一通り組み立ててスイッチを入れると、パチンとヒューズが飛んでしまい、怪しいところを直してはヒューズの取り替えを繰り返しましたが、結局動作させるところまではいきませんでした。このセットは父親の同僚でラジオに詳しい人がすっかり作り直してくれましたが、自分で作ったものでないのであまりうれしくはなかったです。(ゴメンナサイ)

隣家の中学生がアンテナを張ってくれ、運用できるようになりました。ハムの交信を聞いてみたかったのですが、ダイヤルのどの辺が7Mc(メガサイクル)のハムバンドかわからず、結局それらしい電波をキャッチした記憶はありません。測定器がない場合はピーピーという断続音を出している5McのJJYを探して、そこから上に探っていくのがセオリーでしたが、なかなかそう上手くはいきません。その代わり短波通信華やかなころですから、モールスや外国語の放送がダイヤルをちょっと回すとどんどん飛び込んできました。ドッドドドッドドという馬の蹄のような音のする電波がよくキャッチされ、隣家の中学生によるとRTTYだということでした。ピーヒョロというFSK以前のものだと思います。のちにYMOのラィディーンで同じような音が使われててちょっと驚きました。

今回はこの0-V-2を再現してみようという企画です。まずは科学教材社へ足を向けてみましょうか。1960年代末の案内図です。アキバのお隣、御茶ノ水が最寄駅です。

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2022年1月13日 (木)

すごいけど残念なSlamtec Mapper M1M1(おしまい)

と、いうわけで、このモジュールについては深追いしないことにしました。

微弱化したあとでいくつか動画を撮りましたので、公開しておきます。

リビングから隣の部屋へ移動させている様子です。車輪からのオドメトリがいらないので、キャタピラがスリップしても平気です。ルンバベースだとマップとの照合が狂って戻ってこれなくなってしまいます。

タミヤの1/25スケールの戦車なら乗っけるだけで自律走行戦車も作れそうです。模型好きとしては興味深いですね。

2022年1月 3日 (月)

すごいけど残念なSlamtec Mapper M1M1(その2)

ROSで自作移動ロボットを作るには大変便利なmapperですが、残念なことがあります。それもかなり本質的な部分で。

それは次の二つです。

1:WiFiのAPとして動作させないといけない。

2:WiFiに日本の技適どころかFCCの番号もなく、OFFにもできない。

まず1の件。このユニットはWiFiのAPモードとして動作し、SSIDにアクセスすることでマップ情報や推定自己位置を取得できます。これはおそらくスマホで簡単に使えるようにするためだと思います。これはこれでいいのですが、これ以外の接続方法がありません。つまり家庭内のWiFiルータにインフラストラクチャモードで接続することができません。

これだと、このユニットで完結しているならよいのですが、クラウド連動などインターネット接続が必要な機器には使えません。スマホで簡単に地図を作るというような用途に限られるようです。もちろんROSで使うときもドライバを入れたubuntuパソコンをこのユニットのSSIDにクライアントとして接続する必要があります。

イーサネットが接続できますが、それも同様です。他のルーターとの共用は簡単にはできません。

もっと残念なのは2です。本体のどこにも無線関係の認証情報が見つけられませんでした。せめてFCCとかが通っていれば、特例申請をして一定期間は合法的に使えるのですが。あくまでもkit扱いということのようです。

というわけで前回の動画は非合法の実験です。鉄筋コンクリートのマンションをシールドボックスに見立ててはいますが、本来はダメです。イーサネットで接続もできるので、WiFiをオフにできればよいのですがそれもできません。

このままではダメなので、改造してWiFiを無許可で使える微弱レベルに落としました。

ユニットのWiFiモジュールから細い同軸でプリントアンテナに接続になってるので、まずこれを外します。これでも5メートルほど電波が飛びます。

つぎにユニット全体をアルミケースに収めました。こんな感じです。

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これでも3メートル近く電波が飛びます。「微弱」とは言いにくいです。

そこで、こんなふうに基板をアルミ箔でシールドしました。

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ここまでやるとようやく1メートルほどしか電波が飛ばなくなりました。測定したわけではないので、これで微弱化と言われるとあれなんですが、以前電力を食わない「微弱」wifiの持ち込みがあり、それがこんな感じなのでよしとしました。

これでは接続できないので、技適がちゃんととれてるミニWiFiAPを購入し、イーサネットでmapperと接続しました。バンドで留めてる白い箱がそれです。このAPに接続することで、合法的にmapperが使えるわけです。

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この状態で、マップのロードセーブやマップ更新のコントロールなどを試しましたが、結局これはいろいろな理由でお蔵入りになりました。最も大きかったのは安定供給が難しそうということです。アマチュアにとっては便利な部品ですが、群雄割拠のロボットベンチャー(?)にとって、コア技術をこれに頼るということは考えにくく、将来性はなさそうに思います。

未来感のある面白い部品でしたが、ちょっと残念です。

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