すごいけど残念なSlamtec Mapper M1M1(その2)
ROSで自作移動ロボットを作るには大変便利なmapperですが、残念なことがあります。それもかなり本質的な部分で。
それは次の二つです。
1:WiFiのAPとして動作させないといけない。
2:WiFiに日本の技適どころかFCCの番号もなく、OFFにもできない。
まず1の件。このユニットはWiFiのAPモードとして動作し、SSIDにアクセスすることでマップ情報や推定自己位置を取得できます。これはおそらくスマホで簡単に使えるようにするためだと思います。これはこれでいいのですが、これ以外の接続方法がありません。つまり家庭内のWiFiルータにインフラストラクチャモードで接続することができません。
これだと、このユニットで完結しているならよいのですが、クラウド連動などインターネット接続が必要な機器には使えません。スマホで簡単に地図を作るというような用途に限られるようです。もちろんROSで使うときもドライバを入れたubuntuパソコンをこのユニットのSSIDにクライアントとして接続する必要があります。
イーサネットが接続できますが、それも同様です。他のルーターとの共用は簡単にはできません。
もっと残念なのは2です。本体のどこにも無線関係の認証情報が見つけられませんでした。せめてFCCとかが通っていれば、特例申請をして一定期間は合法的に使えるのですが。あくまでもkit扱いということのようです。
というわけで前回の動画は非合法の実験です。鉄筋コンクリートのマンションをシールドボックスに見立ててはいますが、本来はダメです。イーサネットで接続もできるので、WiFiをオフにできればよいのですがそれもできません。
このままではダメなので、改造してWiFiを無許可で使える微弱レベルに落としました。
ユニットのWiFiモジュールから細い同軸でプリントアンテナに接続になってるので、まずこれを外します。これでも5メートルほど電波が飛びます。
つぎにユニット全体をアルミケースに収めました。こんな感じです。
これでも3メートル近く電波が飛びます。「微弱」とは言いにくいです。
そこで、こんなふうに基板をアルミ箔でシールドしました。
ここまでやるとようやく1メートルほどしか電波が飛ばなくなりました。測定したわけではないので、これで微弱化と言われるとあれなんですが、以前電力を食わない「微弱」wifiの持ち込みがあり、それがこんな感じなのでよしとしました。
これでは接続できないので、技適がちゃんととれてるミニWiFiAPを購入し、イーサネットでmapperと接続しました。バンドで留めてる白い箱がそれです。このAPに接続することで、合法的にmapperが使えるわけです。
この状態で、マップのロードセーブやマップ更新のコントロールなどを試しましたが、結局これはいろいろな理由でお蔵入りになりました。最も大きかったのは安定供給が難しそうということです。アマチュアにとっては便利な部品ですが、群雄割拠のロボットベンチャー(?)にとって、コア技術をこれに頼るということは考えにくく、将来性はなさそうに思います。
未来感のある面白い部品でしたが、ちょっと残念です。
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