【昔語り8】科学教材社の0-V-2(その1)
アキバ昔語り
このカテゴリでは主に1970年代半ば以降の話をしていましたが、ここで1960年代まで遡りたいと思います。0-V-2のお話です。(0-V-2については特に説明をしません。わからない方にとっては、そもそもこの話は面白くないと思います。)
そのころ僕は田舎の小学生で「子供の科学」や「模型とラジオ」の愛読者でした。記事はもちろん、巻末に入る科学教材社の広告も子供にとっては楽しみなものでした。1968年ごろ、「子供の科学」でアマチュア無線の入門シリーズが始まるとすっかりやられてしまい、親にねだって短波受信機0-V-2のキットを手に入れました。もちろん通信販売です。紙面で紹介されたこのキットは人気を博したらしく、発注から届くまで1ヶ月以上かかったと思います。父親が市外通話で問い合わせたところ、「大人気でシャーシのメッキが間に合わないので生産が遅れてる」旨の回答があったそうです。
待ちに待ったキットは、ダンボールの箱の中に、細く切ったビニールの切れ端(シュレッダークズのようなもの)がぎっしり入っていて、それに埋もれるように部品が入ってました。大量のビニールクズがクッションの役割をしてたわけです。当時は小荷物の扱いが荒く、荷役時にポンポンと放られることもあったからです。
さて、肝心の組立ですが、小学5年生が初めて組み立てるのは、やはり無理があったようです。一通り組み立ててスイッチを入れると、パチンとヒューズが飛んでしまい、怪しいところを直してはヒューズの取り替えを繰り返しましたが、結局動作させるところまではいきませんでした。このセットは父親の同僚でラジオに詳しい人がすっかり作り直してくれましたが、自分で作ったものでないのであまりうれしくはなかったです。(ゴメンナサイ)
隣家の中学生がアンテナを張ってくれ、運用できるようになりました。ハムの交信を聞いてみたかったのですが、ダイヤルのどの辺が7Mc(メガサイクル)のハムバンドかわからず、結局それらしい電波をキャッチした記憶はありません。測定器がない場合はピーピーという断続音を出している5McのJJYを探して、そこから上に探っていくのがセオリーでしたが、なかなかそう上手くはいきません。その代わり短波通信華やかなころですから、モールスや外国語の放送がダイヤルをちょっと回すとどんどん飛び込んできました。ドッドドドッドドという馬の蹄のような音のする電波がよくキャッチされ、隣家の中学生によるとRTTYだということでした。ピーヒョロというFSK以前のものだと思います。のちにYMOのラィディーンで同じような音が使われててちょっと驚きました。
今回はこの0-V-2を再現してみようという企画です。まずは科学教材社へ足を向けてみましょうか。1960年代末の案内図です。アキバのお隣、御茶ノ水が最寄駅です。
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