PIC24Fでレーザー距離センサVL53L0Xを使う(おしまい)
花岡ちゃんのウィークエンド:
VL53L0Xを使う際の注意点です。
1:実用測距性能は1mちょっと
VL53L0Xを使ったモジュールの謳い文句に「最大測定距離 2m」とよくありますが、これはあくまでも最大です。設定毎に下記のような制限があります。スペックでよくある控えめな数値というわけではなく、実際やってみるとほんとにこんな感じです。long rangeでは使ったことがないのでどの程度明るさ(日中の窓際など)の影響を受けるかはわかりません。
2:レーザー光は円錐状に放射されてる
使う前は、レーザーというくらいだから、レーザーポインターのようにピンポイントで測定しているのかなと思ってましたが大違い。実際は次の図のように円錐形に広がっているそうです。
そのため、成形品の内側に置いて測定用の窓を開ける場合は注意が必要です。下の写真はこれを使ったある商品のセンサ部分です。白い部分が成形品で、そこから5mmくらい奥まったところにセンサを設置してます。これは試作段階なので測定窓がだいぶ大きいですが、量産版では色々工夫してこれより小さくできたとはいえ、結構大きな開口部が必要で、見た目が悪くなってしまいました。大きくしないと成形品にレーザーが当たって反射してしまうからです。設計段階では開口部がこれほど必要とは思わずに、生産上の都合からかなり奥まった位置にセンサ基板を置いてしまったのが敗因。センサはなるべく成形品ギリギリにしたほうが良いです。
これはまた移動ロボットのセンサに使うときにも重要で、次の写真のように床面からかなり高い位置にセンサをつけないと、放射状に広がったレーザーが床面に反射し、前方に障害物があるように反応してしまいます。この試作機では150mmも持ち上げないと、畳の上で安定に使えませんでした。この点はPSDに分があるようです。これほどシビアではありません。
この辺りに気をつければ、このセンサは大変に使い良く、安定です。いろいろなモードがありますが、実際に使うには、コンテニュアスモードでなるべく早い周期でデータを取得し、マイコン側で移動平均を取るなどして安定化させるのがよいと思います。
最後に重要な注意を。センサの表面の薄黄色の保護シートの剥がし忘れに注意してください。一応動作してしまうけど、本来の性能は出ていないので、なんだこりゃということになります。特に量産時には注意が必要です。
今回のウィークエンドはこれでおしまいです。複数のVL53L0Xを使う方法については、実際にやっているので、近いうちに別の投稿で解説したいと思います。
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