グレイ・ウォルターの真空管式電子カメを作ってみる
グレイ・ウォルターのMachina Speculatrixを当時の回路に近い形で作ってみました。「電子カメ」とも言われるごく初期の、そしてエポックメイキングな自律ロボットです。
以前の投稿でMachina Speculatrixについては簡単に説明しています。この投稿の最初の部分です。
僕は、中学生の時に子供向け科学書で「電子カメ」を知り、ぜひ作ってみたいと思いました。やがて高校生の時に、動作や回路の解説が掲載されてるCybernetic Machinesという洋書を丸善で見つけ、ずいぶん高かった(4K円くらい)けど思い切って購入、その情報をもとに、cdsとトランジスタでレプリカを作りました。
それは食パンケースをボディにし、マブチモーターを動力源にしたもので、一応動作しました。当時は3畳間の下宿暮らし、動かす場所も限られてたので、スポーツバッグに潜ませて学校に早出し、他の生徒が来る前に教室でテストしたりしました(笑)
それから40余年、光電管が手に入ったのを機に、オリジナルに近い電子カメの製作に着手しました。2018年の夏のことです。
中身を解説するとなると、長編投稿になってしまうので、今回は簡単に紹介するにとどめます。まずは外観。ボディは百均セリアのミニ米櫃。3枚目の写真はオリジナルの中身です。よく似ているでしょう。オリジナルよりはだいぶ小さいと思います。
光電管カバーを外したところ。測定器などに使われた真空光電管PV13。2本の電池管は3Q4です。
車体裏の駆動機構と電源。B電池として23Aが4本、A電池と動力、光電管用は6Vのシールドバッテリ。
動画です。窓際が明るいのでそちらへ向かって進行します。後部で点滅している電球は、二つあるリレーのインジケータです。障害物に当たった時に交互に点滅するのは、2本の真空管をマルチバイブレータとして動作させ、旋回と駆動を交互に行って脱出行動としているからです。
カットアンドトライで動くようになった回路。残念ながら、この回路に必要なコイル抵抗10Kくらいの高感度リレーが入手できず、FETと通常の6Vリレーを組み合わせて使ってます。この点が心残り。いずれリレーを探して完全版にしたいと考えてます。
これまでの投稿にあるように、小中学生の頃真空管セットは作りましたが、よく理解していたわけではないので、あらためてやってみると動作点とかの感どころが掴めません。この回路も色々とツッコミどころがあります。いずれ別の投稿で詳しく説明したいと考えてます。