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2022年7月14日 (木)

サブミニ管5678と大型バーアンテナの再生検波ポータブル

BCL受信機のパロディとも言える「BCLコンポ」はオモチャとしては最高なんですが、実用的とは言えません。もっと気楽に使えるポータブルを作ってみようというわけで生まれたのがこのラジオです。2020年夏のことでした。

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ケースはセリアで購入した筆箱サイズのタッパー。サブミニ管5678(灰色の筒)を3本、0-V-2というわけです。140mmの大型バーアンテナで感度を稼ぎ、出力はヘッドホンで。B電圧は24Vです。

BCLコンポではアルミシャーシなのでバーアンテナを外部に出しました。シャーシ内ではシールドされてしまい、アンテナとしては機能しないばかりでなく、再生もグッと弱くしかかかりません。このセットではプラケースを使い、バーアンテナを内蔵、普通のポータブルラジオらしい外観にしました。

真空管回路はインピーダンスが高いので、プラケースにセットを組んだ場合、手などを近づけた時の容量変化、いわゆるボディエフェクトが発生します。そのためバリコンに手を近づけると同調周波数が変わってしまい、ダイヤルを摘んで回しているときは同調が取れるが、手を離すとずれてしまうということになります。そこで、上右の写真のように、バリコン、回路部分とVRなどの操作パネルに0.2mm位のブリキ板を敷いて、シールドしています。もちろんこのブリキ板はGNDに接続してあります。この板もセリアの工作材料コーナーで見つけたものです。効果はバッチリでした。

実装の様子です。バーアンテナの付近はシールドしていません。ここをシールドするとアンテナとして機能しなくなります。

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回路のメモです(あくまでも製作時のメモです。定数などはほぼこの値だと思いますが、スイッチ周りなどはセットとは異なっています)。最初は左のメモにある2球ラジオのバラックを製作、BCLコンポと同じくICアンプでヘッドホンを鳴らそうかと思いましたが、やはりオール真空管でということで、右の回路を追加しました。赤枠の抵抗をAカーブのVRにして音量調整しています。A電池アルカリ単三で10時間くらい、B電池23A二つで50時間以上は使えると思います。

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部品の補足です。サブミニ管5678はヒーターの3番ピンがシールド(灰色のコーティング)に接続されてるので、回路図の3と5を入れ替えた方がいいでしょう(回路メモにもそういう書き込みをしてますね)。この真空管は、2022年7月現在、ヤフオクに多く出品されています。「5678」で検索をかけてみてください。バーアンテナはスーパー用のAR-140S、KURAやヤフオクで入手できます。組み合わせるバリコンはスーパー用の150P+70P2連の片側を使います。出力トランスSD-108は10K:8Ωという真空管規格でサイズはSTトランスサイズという変わり種。いまのところKURAでしか手に入らないようです。

元ネタは50年代末の「模型とラジオ」に掲載されていた、少年向けポータブルの回路です。当時はポピュラーな構成だったようで、同工異曲な製作記事がいくつもあります。

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使ってみると、さすがにスーパーには敵いませんが、大型バーアンテナの効果絶大で、窓際ならば結構な感度でローカル局が入感します。このように使えばボディエフェクトもほとんどありません。音量音質とも良好で、さすが1球追加しただけのことはあります。

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窓際から離れて、2mほど奥まったリビングの「定位置」で「ラジオ深夜便」を聞いてみましたが、さすがにちょっと電波が弱いようでした。電波が弱いとかなり同調がシビアです。同調ツマミと再生ツマミを細かく調整しないと、再生検波特有のボイスチェンジャーをかけたような音声になってしまいます。減速機構かバンドスプレッドが欲しいところです。

おおむね、初期の目標は達成ということで、めでたく本プロジェクトは終了となりました。今でもローカル線の待ち合わせ時間がありそうなときなどは、カバンに忍ばせて、ホームのベンチで聴くことがあります。変なやつだと思われているのでしょうが(笑)

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