「超小型」電池管再生検波ポケットラジオ
2021年1月ごろに「超小型」電池管ラジオに挑戦したハナシです。
サブミニ管をいじっていると、どうしてもどれだけ小さいラジオが作れるかが気になります。ネットを検索してみても、やはり同じ気持ちの人は多いようで、ものすごく小型で、しかもしっかりした回路構成のセットを見ることができます。それらは優れた設計技術と工作技術があってのもので、僕にはちょっと真似できそうもありません。
そこで、できる範囲で「超小型」のセットを作ってみることに。回路は前回に紹介した2球再生検波ポータブルで。完成したのがこのポケットラジオです。
セリアで購入した画鋲のプラケース(64X44X16mm)に、回路本体、B電池23Aが2本、A電池LR44を収めました。セラミックイヤホンのプラグがスイッチを兼ねていて、差し込むと電源が入る仕掛けです。
真空管は6418。普通のサブミニ管より一回り小型です。写真手前の5678と比べてみてください。小さいだけでなく、ヒーター電流も10mAと控えめで2本使っても20mA、十分とは言えませんがLR44(100mA/hくらい)でもA電池として1〜2時間は使えます。データシートには低周波用とありますが、ラジオ周波数くらいなら高周波でも問題ないようです。
パッケージには保証期間12ヶ月で、保証期限が1985年の8月とありますから、この真空管が製造されたのは1984年の8月ということになります。1984年と言えば、日本でもパソコンが実用期を迎え、16bitマイコンが主流になりつつある頃です。その頃にサブミニ管が生産されていたとはちょっとした驚きですね。この白箱は軍用のパッケージだそうで、当時のアメリカ軍の軍装品に使用されていたようです。
試作を経て、回路はこうなりました。6418を2本、空中配線でモジュールに仕立てます。単三電池と比べてもこのサイズですが、マイコン時代の工作技術なら難なく組めると思います。参考のため裏表の写真を載せておきます。それから出力段の6418の負荷抵抗は、回路図のメモ書きにあるとおり47Kではなく22Kの方が音が大きくなります。
バラックで動作テストを済ませたモジュールを加工したケースに組み込みます。配置はこんな感じです。
VRは一回り小さい12.7mmのもの、バリコンも1.7cm角のものです。ヤフオクで見つけましたがaitendoでも扱ってるようです。多連バリコンですが最大容量が260PFくらいになるよう配線してます。バーアンテナは手持ちから。前の投稿で説明したように、アンテナコイルが巻いてあれば他のバーアンテナでも使えます。再生がかからなければ再生(アンテナ)コイルの線を入れ替え、再生のかかり具合は再生コイルに直列に入っているコンデンサ(220P)で変わります。
電池ケースは入らないのでリン青銅板(0.3くらい)で接点を作りました。イヤホンのコネクタはピンソケットで、ケース裏側に貼り付けてます。イヤホンを差し込むとA,B電池のマイナス側が接続になり電源が入る趣向です。
肝心の使い勝手ですが・・・思ったとおりあまりよろしくありません。ボディエフェクトがバリバリで、同調を取ったらダイヤルから手が離せません。あるいは、手を離した状態にアタリをつけて同調操作をする必要があります。
感度自体は申し分なく、窓際や野外ではさほど強電界でもない当地でもローカル局を外部アンテナなしでガンガン受信できます。特別に小さく作らなくとも電池管ラジオ入門用としてもいいかしれません。A電池も単四とかにすれば無理がありません。まあ「作ってみた」セット、人に見せびらかしてナンボということでブログのネタに(笑。
なお、この6418はかなり出回っているようです。調べるとポタアンなどがよくひっかかります。入手も楽でヤフオクでも安いものなら300円程度でも手に入るようです。また、真っ暗なところではヒーターがかすかに赤く光ってるのが見えて雰囲気が良いです。
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