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2023年3月

2023年3月 6日 (月)

【昔語り12】パーソナルロボット TOPOの話(その3)

動作テストです。マニュアルによるとDEMOがあるようなので、それを実行しました。喋りが主体なので音を出して観てください。

 

ようやく動いたか〜という感じです。あまり走行しないのがつまらないですが、走るデモもありました。ジョイスティックでリモコン操縦しています。

 

ただし、一つ大きな問題があります。それはTOPOとパソコンを繋いでいる赤外線通信が、普通の蛍光灯の影響を受けるということです。デモをやってる和室のペンダント蛍光灯を点けると通信できなくなります。蛍光灯は普通のグロー管タイプ、黒い紙で蛍光灯の光を遮断すると回復することから、電気ノイズではなく放電灯の光ノイズが原因です。オシロで信号を見る限り、簡単になんとかなるものではなさそうです。

左の波形がパソコンから送られてきた赤外線信号。TOPOの受信アンプの波形です。PWMのようですがかなり高速のパルスでやってます。そして、右が蛍光灯を灯した時の波形。信号がノイズで完全にマスクされてしまってます。

Img_5159 Img_5161

赤外線通信分に黒い紙を載せて傘を作ると、ノイズ分のレベルが下がって信号が見えてきますが、よほどノイズレベルが下がらないと通信復帰にはなりません。これくらいでは全然ダメです。

Img_5162 Img_5165

ともかく、修復作業としてはこれにて一件落着。次回はTOPOという商品について考えます。

 

2023年3月 2日 (木)

【昔語り12】パーソナルロボット TOPOの話(その2)

修復作業開始です。まずはバッテリーを入れますが、そのためにはほとんど分解しなくてはいけません。左の写真が分解したコンポーネントを動作するよう接続した様子、右が秋月で購入したバッテリーの搭載です。このバッテリーが前後に1個ずつ入ります。また、駆動輪を浮かせてテストできるようウマも作りました。シャーシ下の木製の台がそれです。

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ここで現状の確認です。本体のボタン操作と通信の状態を確認します。これですんなり動けばいうことないんですが・・・結果は「駆動系OK」「音声NG全く喋らない」「通信NG全く通信できていない」ということで・・・長丁場を覚悟しました。

通信ができてないとソフト起動時にこんなエラーメッセージがでちゃいます。

Img_20230115_150925

捨てる神あれば拾う神あり。ネット上でTOPOの回路図を見つけました。手書き修正の入ったプリプロ版のようです。また全ての回路図があるわけでもないようですがそれでもありがたい。他にもいろいろ書類がアーカイブされてて興味深いサイトです。

回路図があるとはいえ修理は大変でした。事細かに書いても退屈なだけなので、結果だけを。

まず18V電源のタンタルコンデンサがショートしおり、レギュレータが発熱してサーマルシャットダウン状態。18Vから作っている-5Vがでてないのでスピーチモジュールが動かないことが判明。喋らないのはこのせいです。

さらに、赤外線パルスをレベル変換してマイコンに入力するコンパレータが故障、接続されてるマイコンの入力ポートも故障ということで、これが通信できない原因のようです。

入手容易な部品なのでマイコン(8031)含め新品に交換しました。それぞれの回路は電気的に関係がありますが、実際にどうやって壊れたかはわかりません。タンタルコンデンサは、電解のように経年で液漏れしないので、いっときよく使われましたが、過電圧や逆電圧に弱くショートする方向に壊れやすいという厄介さも。おそらく何らかの理由で過電圧か逆電圧がかかり、それが元で連鎖的に壊れたのではないかと思います。ここは深く追求しないことにしました。もちろんタンタルは止めて普通の電解コンに差し替えました。

ここまでくれば動きそうということで、メイン基板だけをバラックに組んでスピーチのテストを。下の写真の奥の方に展開してるのがメイン基板と通信基板です。手前の六角形の装置がApple IIに接続された赤外線通信機です。

動画はApple IIeの画面です。通信ができているので、スタートアップメッセージの次の行にOKと出ています。OKが返ってきた時には泣きそうになりました(笑)。いままでエラーメッセージしか見たことがなかったですから。動画ではTOPOの声が聞こえます。この時点で作業を始めてから1ヶ月が過ぎてました。

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いよいよ次回、動作テストです。

2023年3月 1日 (水)

【昔語り12】パーソナルロボット TOPOの話(その1)

パソコンブーム華やかなりし80年代、鳴り物入りで登場した「パーソナルロボット」がありました。

アメリカAndrobot社が1983年に「世界で初めてのパーソナルロボット」として発表したのがTOPOという子供サイズのロボットでした。写真はTOPOのキービジュアルです。スターウォーズのドロイドをイメージさせますね。

Screen_shot_20210308_at_72423_am

TOPOが「鳴り物入り」だったのは、Androbotのファウンダーが、ATARIを成功させたノーラン・ブッシュネルさんだったからです。ゲームに続いてロボットでも一山当てるのでは、ということでしょう。僕のいたエンターティンメント系の会社にも、国内販売の打診があったのを記憶しています。もっとも、大方の期待は空振りで、数年で事業を畳むことになります。TOPOの詳しい情報は、このサイトでみることができます。

さて、当時は縁のなかったTOPOですが、十数年前にヤフオクで手に入れることができました。TOPO IとTOPO IIIです。これは入手当時の写真です。

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左がTOPO I、本体だけです。これはただのラジコン走行で、Apple IIに接続した送信機でBASICから動かすことができたようです。

そして右がTOPO III、最終販売モデル、パソコンと双方向の赤外線通信でつながるリモートブレインタイプです。これにはマニュアルからI/Fまで動作に必要なものは全て揃っていて、譲っていただいた方によると「長いこと動かしてないが動くはず」という状態でした。この時、手持ちのApple IIcでいろいろと試してみたのですがどうしてもダメ、対応にIIcは入ってないのでそのせいかなという感じでお蔵入りになりました。

それから十余年、ヤフオクでApple IIe(写真左)の状態のいいセットを見つけたので、思い切って修復作業を再開することに。

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ディスクドライブにシリアルカード、ジョイスティックと必要なものは揃っている上に、電源のコンデンサ交換済みと信頼性も担保されてます。TOPO SOFTの対応機種にはしっかりIIeが入ってます。これなら動きそう。

修復作業を始めたのは2023年1月早々でした。続きは次の投稿で。

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